わが国が構築すべき独自戦略(下編)

上編では、わが国のネイチャーポジティブが、
単なる情報開⽰や欧⽶制度の導⼊にとどまるのではなく、
⽇本固有の⾃然・社会条件を踏まえた実装モデルへ進む必要性を整理した。
特に、⾃然関連課題を「場所」に即して把握し、重点地域を特定した上で、
地域の管理主体、企業の資⾦、成果指標をつなぐことが重要であることを⽰した。
また、⽇本には、⾥⼭等の⼆次的⾃然、⼈⼝減少に伴うアンダーユース、
⼩規模・分散した⼟地所有、沿岸⽣態系といった特徴があり、
これらを踏まえると、欧⽶の制度や評価⼿法をそのまま適⽤するだけでは⼗分ではない。
下編では、こうした上編の問題設定を受け、「企業や⾃治体は具体的に何を、どのような体制で、
どのように測りながら実装していくのか」という実務上の問いに答える。
具体的には、⾃然資本を経営課題として管理するためのガバナンス、
活動・⽣態系状態・事業価値を区分した KPI、成果を測定・報告・検証する MRV、
さらに国内実証から事業化・国際展開へ進むための段階的ロードマップを提⽰する。
INDEX
5.⾃然資本を「環境活動」から「経営管理」へ
5.1 三層 KPI を経営管理に組み込む―環境部⾨だけでは動かない
5.2 植樹本数を「成果」にしない―KPI を三層で管理する
5.3 環境主張の信頼性を⾼める―「何を改善したのか」を説明できる企業へ
6.どこから始めるか―30 か⽉で実装へつなぐロードマップ例
Phase 1 対象を絞る―何の意思決定に使うのか(0〜3 か⽉)
Phase 2 地域で試す―本当に測れるか(4〜9 か⽉)
Phase 3 横展開する―他地域でも再現できるか(10〜18 か⽉)
Phase 4 仕組みにする―継続可能な事業へ(19〜30 か⽉)
Phase 5 外へ展開する―⽇本発モデルをアジアへ(30 か⽉以降)
7.企業の資⾦と⾃然再⽣の現場をどうつなぐか
おわりに―開⽰の次に、企業に求められること
